軽自動車がダサいと言ってる人はバブル期以前の昭和世代だけだった、という話

ここ何年か帰省したときに感じるのは、街を走る軽自動車の比率がすごく増えたこと。

元々女性や高齢者の軽自動車比率が多いのはどこの地方も共通ですが、ここ最近は男性でも軽自動車に乗っている人が増えてきたように感じます。

もう2台に1台は軽自動車なんじゃないかってぐらい多く感じるのです。

今回はこの現象について考察してみたいと思います。

かつての軽自動車の位置付け

かつての軽自動車とはこんなイメージだったと思います。

・小さくて手頃だけど排気量が550ccだったので遅い。
・車重が軽くタイヤが小さいので女性や高齢者でも扱いやすい
・維持費が安く通勤・買物にはもってこい

昭和の時代は普通車でもパワーステアリングはハイグレードモデルにしか設定されていませんでしたから、腕力が少ない女性や高齢者にとっては、小さくてハンドルが軽い軽自動車は比較的扱いやすい自動車でした。

パワステが普及していない時代は、腕力でハンドルをグイグイ回して車を扱えるのが「男らしさ」でしたから、男なのに軽自動車に乗っているのは、「軽しか乗れない(買えない)のかww」「腕力無いの?」的な偏見もあったように思います。

そのせいか、当時の男子は「軽自動車以外」を買い、運転が苦手な女子は軽自動車に乗るのが一般的でした。

多分、現代の若者からすると「なんてアホな」と思うかもしれませんが、携帯やスマホが無かった当時は、娯楽と言えばドライブであり、ドライブの主役となる車は重要なアイテムだったのです。

田舎に軽自動車が多くなった理由とは?

しかし昭和が終わって30年経った今、軽自動車は大きく変わり、それに伴って人々の意識もかわりました。

地方都市で軽自動車が増えた理由を僕なりに考察してみます。

この20年で可処分所得が増えていない

大卒初任給がバブル崩壊した1991年からほとんど変わっていない(約20万)ということは、課長も部長も工場長の給料もそんなに変わっていません。

会社によっては多すぎるポストをスリムにして、それによって出来た原資を手厚く配分しているところもあるかもしれませんが、給与原資としてはそう変わっていないでしょう。

その一方で、消費税増税(3%→5%→8%)や社会保険料のアップで、実質的な可処分所得はこの20年でむしろ下がっています。(約5万円のダウン)

そのため、特に子育てにお金がかかる世代では、出費を切り詰めるために軽自動車に乗り換えて維持費を節約する人が多くなりました。

というのも、地方では自動車は一家に一台ではなく一人一台所有しないとどこにも行けないため、4人家族で夫婦がコンパクトカーを1台ずつ所有しているとすれば、自動車税が34,800円×2台=69,000円/年かかります。

これが軽自動車に乗り換えれば、軽自動車税7,000円(当時)×2台=14,000円/年となり、その差△55,000円。ちょうど減った可処分所得が賄える計算です。

軽自動車のパフォーマンスが向上

昔は軽自動車と言えば「安いけど遅い」が常識でした。

高速道路の最高速度は80km/hに制限されていましたし、100km/h以上出せてもエンジンが目一杯回っての話なので長時間走行すると振動で疲れるものでした。

しかし今の軽自動車は排気量が550cc→660ccに拡大されたこともあって、コンパクトカー並の出力を持つ車種がすくなくありません。ターボ付きの上位モデルではコンパクトカーを凌駕するパワーを持つものも少なくありません。

現在では軽自動車の高速道路での最高速度は80→100km/hに引き上げられ、普通車との垣根は無くなりました。

「軽自動車は高速道路がキツくて….」というのは昔話になりつつあります。

人々の趣向が車から他のモノへ移っていった

・インターネット、携帯/スマホ、モノを所有することよりも「何をするか?」。エクスペリエンス(経験)
・車への興味が薄れる → 「軽はダサい」← 何それ?になる。価値観の変化。

価値観の変化

特に大きいのが「軽自動車は女と年寄りが乗るもの」「軽自動車は金が無い奴が乗るもの」という昭和的価値観を持った世代が50代、60代に突入して、軽自動車に対して偏見が少ない世代が主流になってきました。

僕の世代は、カッコイイ車に乗ることは異性を引きつけるアイテムとして重要でしたし、女の子もそういう目で見ていましたからね。デートのときに迎えに行って「えっ、軽なの?」と言われた男子も少なくないはず。

つまり車はファッションセンスそのものであり、皆競って女の子ウケのいい車を買っていたわけです。

しかし今、地元の同級生が乗っているのは軽自動車が多いです。

若いときは見栄を張って身分不相応な車をローンで買っていた友人も、結婚して子供を持つようになると、無理に豪華な車に乗って女性にアピールする必要が無くなったせいか、実用第一で車を選んでいます。

加えて、時代と共に人々の価値観が変わり「軽自動車=安い車=恥ずかしい」というイメージが薄まったことも大きいです。普段使いには軽自動車で十分、という考えですね。

確かに子育てでお金がかかる時期ですし、自宅と職場の往復に使う程度であれば安い軽自動車で十分なわけです。

友人の中には通勤コストを下げるために125ccスクーターに乗換えた者もいます。

家族で出かけるときは奥さんの車を使って、自分の通勤はファミリーバイク特約が使える125ccスクーターという使い分けです。

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田舎に軽自動車が多いまとめ

・実質所得がこの20年増えていない
・軽自動車が進化して安っぽく無くなってきた
・価値観の変化で「軽=安い」というイメージが薄まってきた

未だに若い人が軽自動車を選ぼうとすると「男のくせに軽なんか」とか「軽自動車なんかに乗れない」というシニアの方がいますが、その価値観自体がかなり時代遅れであることに気がついていないのは、滑稽さを通り越して哀しくなります。

もはや軽自動車=安っぽい、遅い、というイメージは遠い昔のものです。

今後はメーカー各社も今以上に軽自動車に力を入れてくるでしょうから、軽自動車がコンパクトカーを凌駕する時代もそう遠くないでしょうね。

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