なぜETCはクレジットカードが使えないのか?

高速道路でのETC利用率は平成30年度で91.3%と、今や高速道路を利用する車両の9割以上がETC搭載車です。(出典:国交省 ETCの利用状況

ETCで一番メリットが大きいのは、料金所での発券や料金収受の手間が省けて、料金所やICでの渋滞が緩和されたことではないでしょうか。

個人的にメリットが一番大きかったのは、バイクでの料金支払いが格段に楽になったことです。

料金所で止まって、グローブ外してチケットを取る・しまう・グローブをはめてようやく発車、料金支払も同じようにグローブ外す・チケット出す・財布を出して料金を支払う・お釣り受け取る・財布しまう・グローブはめてようやく発車です。

背中で車の「早くしろよ」圧力をガンガンに感じながらの支払い作業は本当にストレスしかありません。

なのでETCの普及は大歓迎なのですが、一つ気になるのは「ETCはETCカードしか使えない」ということ。

「なぜクレジッドカードがそのまま使えないのだろうか?」と思ったことはありませんか?

ETCでクレジットカードが使えない理由

ETCでクレジットカードが使えないのは「クレジットカードを作れない人でも通行できるように」ということが理由として挙げられています。

ETCが導入される前は、料金所で通行料を現金を支払うまたはクレジットカードで支払うという決済方法がありました。多くの人は現金で支払っていたので、高速道路を利用するに当たってはクレジットカードの所有は必須条件ではありません。

しかしETCを導入するにあたって、クレジッドカードによる決済のみにしてしまうと、クレジットカードを作れない人がETCを利用できなくなってしまう、という問題が生じてしまいます。

例えば収入のない学生だったり自己破産した人はクレジットカードが作れません。

クレジットカードが作れない人は現金で利用することもできますが、ETCを装着していることで受けられる休日割引や早朝割引、観光ドライブ向けの割引パックなどのサービスを受けられないデメリットがあります。

ETCカードという謎のカード

そのため、ETCシステムはクレジットカードとは別に「ETCカード」という専用カードを使うように設計されました。

クレジットカードを持っている人はクレジットカード会社に依頼すればETCカードを発行してもらえますが、クレジットカード会社にETCカードだけを単体で発行してもらうことはできません。

あくまでもクレジット(信用)に対してカードが発行されるので、クレジットの無い人にはETCカードも発行してくれません。

クレジットカードを持っていない人がETCカードを作るには?

ではクレジットカードを持っていない人がETCカードを作るにはどうすればいいでしょうか?

そういう人のためにETCパーソナル事務局が発行する「ETCパーソナルカード」というものがあります。

これはデポジット(預託金)を入れた上で、利用した通行料が登録した銀行口座から毎月引き落とされるというシステムです。注意したいのは、このデポジットはプリペイド(前払い)のように通行料に充当されない点です。

このデポジットはETCパーソナルカードの利用者の銀行口座から引き落としが出来なかったときの担保としているもので、カード解約時に返金されるものです。

月間平均利用料の4倍をデポジットしなければならなかったり(月平均5,000円高速道路を使っていたら、デポジットは2万円)、カードの年会費が1,234円(税込)が必要だったりと、よほどの事情が無い限り、作るメリットが全く見当たらないカードです。

ETC車載器でクレジットカードを直接使えない理由が見当たらない

結局、クレジットカードを作れない人のための救済措置として「ETC専用カード」使うように強制されているわけですが、だったら、高速道路会社がETCでしか使えない「クレジットカード」を発行すれば、わざわざ「ETCカード」なんて作らなくてもいいのではないでしょうか?

そうすれば多くの人はいつもショッピングに使っているクレジットカードがそのままETCで使えますし、”ETCカード”という専用カードを作る必要も無い上に、カード会社も発行の手間が省けます。

そもそもクレジットカードもETCカードもカードの規格は全く同じであり、ICカードのインタフェースも同じなのでハードウェア的にETCカードもクレジットカードも違いはありません。

それにETC車載器でクレジットカードが使えれば、外国人がレンタカーを使って有料道路を利用するときも自分のクレジットカードが使えます。

現在は外国人がETCカードを持つには、日本でクレジットカードを作るしかなく、外国人旅行者がレンタカーでETCを使うことは事実上不可能です。

つまり、ほんの一部のクレジットカードを作れない人達のために、大多数のクレジットカード所有者が本来不要なETCカードを作らされているのが今のETCシステムなんですね。

クレジットカードを作れない人用にデポジットを入れて利用する「ETCパーソナルカード」などを整備するよりも、クレジット(信用)のない人向けにETCでしか使えない限定クレジットカードを、NEXCOが担保する形で提携カード会社から発行させたほうが、手間が少ない上に利便性はかなり向上すると思うんですけどね。

というかよく考えてみれば、クレジットカードを作れない人にデポジット取ってETCパーソナルカードを発行するのであれば、その他の人はクレジットカードをそのまま使うようにすればETCカードなんて不要にできますよね?

ETCでクレジットカードが使えないまとめ

元々は「なんでETCカードなんて必要なんだろう?」「クレジットカードがそのままETC車載器に使えたら便利なのに」という想いからいろいろ調べてみたところから始まった疑問なんですが、結局のところ「クレジットカードが作れない人のためにETC専用カードを発行する必要があるため」という、なんかよくわからない理由で煙に巻かれているような気がします。

それでも、車の中に常時入れっぱなしにしておくために、クレジットカードとは別にETC専用カードがあると便利だから、というのであればまだETCカードの存在意義は理解できますが、今は防犯の意味でも車から離れるときはETCカードを抜くように言われているので、これも理由としては薄いです。

ETCカードでショッピングできるならまだしも(そうなるともはやETCカードではないが)、ETCでしか使えないカードをわざわざ利用者に用意させるシステムが、イケてないシステムのように思えてならないんですね。

料金所での渋滞解消や、料金授受の簡素化による職員の効率化など、ETCが高速道路の効率化に寄与していることは間違いありませんが、一方ではこういった理不尽?な不効率さが残っているところが非常に残念でなりません。

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