横断歩道で停止しない車が9割の日本、訪日外国人が轢かれそうになってビビる日本の交通マナー

この「横断歩道あり」の標識は教習所でも教わるし、学科試験でも出るので免許を持っている人なら誰でも知っているはずなのですが、横断歩道に人がいるときは車両は止まらなければならないことは、意外と知られていません。

周りに聞いても

「言われてみればそんな気がする」

「そう言われると自動車学校で教わったような気がする」

という人が多いです。

来日した外国人が「日本では横断歩道を渡ろうとしても車が止まってくれない」「横断歩道を渡ろうとしたら轢かれそうになった」といった話もよく耳にしますね。

モータリゼーションが発達した国では、横断歩道に人がいたら止まって歩行者を優先させるのが普通です。

5歳の男の子が横断歩道ではねられて死亡

1月23日の午後5時頃、兵庫県西宮市の住宅地で、近くの自宅からアイスクリームを書いに行く途中だった男児が信号機の無い横断歩道を渡っているときに乗用車にはねられて亡くなるという痛ましい事故がありました。

男児は事故の直前、左右を見て横断歩道を渡ろうとする様子が目撃されていたと言います。

ウチにも子供がいますので、男の子や親御さんの気持ちを考えると胸が張り裂けそうで、とてもやりきれない気持ちになります。

ネットでは「5歳の子供に一人で出かけさせるな」といった辛辣な意見もありますが、僕はそれよりも「横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるときは、手前で停止しなければならない」というルールが徹底されていない社会が問題だと思うのです。

道路交通法で明確に規定されている横断歩道のルールとは?

横断歩道に関するルールは道路交通法第38条1項で規定されています。

(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
http://elaws.e-gov.go.jp/

横断歩道を渡ろうとしている人がいるときは、横断歩道の手前で一時停止して歩行者を渡らせないといけない、と明確に規定しています。

これに違反した場合の罰則は第109条で規定されています。

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
(略)
一の四 第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為(高速自動車国道等におけるものに限る。)をした者
二 第三十条(追越しを禁止する場所)、第三十三条(踏切の通過)第一項若しくは第二項、第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先)、第四十二条(徐行すべき場所)又は第四十三条(指定場所における一時停止)の規定の違反となるような行為をした者
http://elaws.e-gov.go.jp/

この違反は「横断歩行者等妨害」という違反で、道路交通法施行令の別表第二で違反点数が、別表第6で反則金が規定されています。

<違反点数>
・2点
<反則金>
・大型車:12,000円
・普通車:9,000円
・二輪車:7,000円
・原付車:6,000円

歩行者が渡ろうとしているのに停車しないのは、マナー違反ではなくて明確な違反です。道路交通法違反で交通反則通告制度(青切符)の対象なのです。

JAFが2016年8月15日~9月1日に、各都道府県で2ヶ所ずつ信号機の無い横断歩道をピックアップして調査したところ、通行する約1万台の車両の内、実に9割の車両が歩行者が渡ろうとしても停車しなかったという調査結果があります。(出典:JAF

この調査結果は、いかにドライバーが違反の認識を持っていないかを如実に物語っています。

海外では横断歩道での一時停止が徹底している

アメリカに行ったことがある人はご存知かと思いますが、アメリカやカナダなどの北米では横断歩道に人がいるときはほぼ全ての車が手前で停車します。

僕はアメリカに行く前までは、貧富の差が激しくてスーパーで拳銃が買える国だから車の運転も荒っぽいんだろうなぁ、なんてステレオタイプな目で見ていたのですが、実際に運転してみると運転マナーが良くて驚きました。

もちろん州法による罰則があるということもありますが、基本的にアメリカは歩行者や自転車などの交通弱者に対するドライバーの意識が高く、スクールバスが停車しているときも、乗り降りが終わってバスが発車するまでじっと待っています。

アメリカではスクールバス(黄色)が停車しているときは、追い越し禁止というルールがあります。(子供が不意に横断するかもしれないので)

一方、日本では歩行者に気づいて横断歩道の手前で停車すると、後ろの車にクラクションを鳴らされたり、ヒドイときは対向車線を追い越されたりするときもあるぐらいです。

横断歩道で停止するときは、歩行者が対向車に気づいているか気遣ってあげよう

僕は横断歩道で歩行者に気づいたときは停車するようにしていますが、歩行者の中には、こちらが止まったことを確認しただけで対向車線を確認せずに横断を始める人もいます。

とくに小さい子供だと注意がこちらにしか向いていなくて、対向車が止まることを確認せずに走り出そうとするときがあるので大変危険です。

もし対向車線の車に気づいていないときは、クラクションを鳴らして注意を引いて対向車線も確認するように促したり、対向車線の車にパッシングして横断者がいることを知らせてあげるなどしてあげましょう。

まとめ

・横断歩道を歩行者が渡ろうとしているときは手前で停車しなければならない
・停車しない場合は横断歩行者等妨害という道交法違反となる(青切符)
・歩行者が横断歩道を渡るときは、対向車線の車に気づいているかどうか見てあげよう

横断歩道を渡ろうとする歩行者が車にクラクションを鳴らされるという今の日本は、とても自動車先進国の交通環境とは言えません。

僕がアメリカに行ったときに思ったのは、意外と信号機が少ないことでした。

片道1車線の道路であれば横断歩道にはほとんど信号機はありませんし、住宅街の十字路は大抵は4ウェイストップ(先に交差点に入ってきた車が先に出られる)で信号機は設置されていません。

アメリカが少ない信号機で交通の秩序が保たれているのはドライバーのモラルの高さによるもので、特に子供や老人に対する慈愛精神が根付いているからだと思います。

一方、日本では通行量が多少ある道路の横断歩道や十字路にはすぐに信号機が設置され、通行量がそんなに多くない時間帯でも信号機でストップ&ゴーが強制されてしまい、その結果、物流効率までもが落ちてしまっている状況です。

まさに「モラルの高い集団はルールが少なく、モラルの低い集団はルールが多くなる」ことを表しています。

日本は世界有数の自動車メーカー、バイクメーカーを有する自動車王国なのですから、交通マナーも世界に誇れるような国を目指すべきはないでしょうか。

物影に隠れてノルマ達成のための取締りよりも、こういったドライバーの意識向上のための交通取締りであれば市民も納得できるんですけどね。

”サンキューハザード”を点ける国民性を誇るよりも、子供やお年寄りが安心して横断歩道を渡れる交通マナーを持つことを誇りたいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク